螺鈿とは? らでん 螺鈿とは、貝片を器物等の木地や漆面に装着して施す装飾技法です。 使用される貝には、ヤコウガイ(夜光貝)、シロチョウガイ(白蝶貝)、クロチョウガイ(黒蝶貝)、カワシンジュガイ(青貝)、アワビ、アコヤガイなどがあります。 使用目的に応じて貝片の厚さは調整され、その厚さによって厚貝と薄貝に大別されます。 下地か中塗の表面に薄貝を貼り、漆を塗ってから研出または剥出して模様を浮き出す装着方法です。(貼附法) ①下塗り まずは、黒の色漆で下塗りをします。下塗りは貼り付ける貝をきれいに見せる役割と、貝を指輪にしっかりと貼り付ける前の下地の役割があります。細かい作業の為、線描きの際は専用の筆を使います。 ②貼り付け 下塗りが乾燥したら、貝を張りける作業です。まず、接着剤となる漆を塗ります。その上に貝を並べていきます。貝は貼り付けるスペースに合わせてカットします。この時、光の反射具合を確認して、貼った後に全体がきれいに見える向きとなるようカットします。 ③擦り込み、研ぎ 次はこの溝を埋めるための作業です。貼った貝同士の隙間を埋めるように表面に再び漆を塗ります。漆が固まったら、漆を削って貝の表面を出す作業です。漆を細長い砥石の先端で削っていきます。 貝の表面の漆はカッターナイフも使いながら漆を慎重に剥がしていきます。(このタイミングで左側に朱色の色漆を塗りました。) ④磨き 綺麗に削っても表面には細かい傷があります。この傷に透明な漆を擦り込んでいきます。コンパウンド、磨き粉…と研磨する材料を変えながら研ぎと擦り込みを繰り返し表面をより滑らかにします。最後に「磨き」を行います。少量の油を使って表面を磨き上げ完成です。 お多福パール×蒔絵作品の一例